(注:この話は私が高校に入学した頃に母から直接聞いた話)
身ごもった母は相手の男を探した。
広い大学の構内の中を身重の身体を引きずって何度も探した。
同じ場所を何度も這うように祈るように歩く。
お腹には命が宿っているから切羽詰まっている。
最後まで男は姿を現さなかった。
結果、産婦人科医の祖父が母親の中絶手術をした。
その後、男は姿を現わすが女がいた。
母と同じく小柄だが母よりも美人だった。
その後母は父と出逢い結婚するが、父はその事実を知らされていなかった。
母は同級生1人に手術の話をした。
それは間違いだったのだろうか。